あらすじ
新王サマドの即位から5周年、
国政は昏迷し、苛酷な搾取に民は疲弊しきっていた。

王の異母弟であるアサドは幼い頃から兄を慕い、
兄が良き王となることを望んでいた。
しかし王は自らの手では国政を行わず、
宰相の専横に任せ、アサドの進言にも取り合わなかった。

王の即位五周年を祝う祭が近づいていたある日、
アサドは王宮で商人の親子に出会う。
娘のヤスミーンはアサドを王の弟と気付かずに話掛け、
王に良い国をつくってもらいたいと話す。

数日後、アサドは身分を隠して町まで降り、ヤスミーンに会いに行く。
町の人々と話し、町の様子を見て、兄の政治の間違いを改めて思う。

しかしアサドの思いとは逆に、更なる税と労働を課すという勅令が出される。
これを受けて民衆の不満は一気に増大し、不穏な空気が町に漂い始めた……。

ヤスミーンとの出会いによって動き出した運命。
二人の生き方は、王の在るべき姿とは。
その剣は誰に向けられるのか。


そして、その剣が導く先にあるものとは……?

「俺は今、この剣を取る。」